埼玉高速鉄道線
菖蒲方面への延伸も期待される鉄道路線。
地下鉄南北線に直通し、乗り換えなしで東京へ。
1.概要
埼玉高速鉄道線は、東京都北区の赤羽岩淵駅から、川口市を通り、さいたま市緑区の浦和美園駅に至る、埼玉高速鉄道株式会社が運営する鉄道路線です。赤羽岩淵~新井宿(川口市)間は大半が国道122号線の地下を通っており、浦和美園は埼玉スタジアム2002の最寄り駅として有名です。
全ての定期列車が東京メトロ南北線と相互乗り入れを行っており、乗換えなしで王子・後楽園・飯田橋などの都内の各駅へ行くことができます。南北線から先は、さらに東急線・相鉄線と直通運転を行っています。
参考:埼玉高速鉄道株式会社ホームページ「埼玉高速鉄道 埼玉スタジアム線 | 都心直結、埼玉スタジアム直結」
(出典)OpenStreetMapに図・字を追記
埼玉高速鉄道線は、1972年の都市交通審議会答申第15号で、地下鉄7号線目黒~岩渕町~川口市中央部~浦和市東部間の計画路線の延伸が答申されたことを発端とします。1995年に着工し、2001年3月28日に開業しました。
さらに、2000年の運輸政策審議会答申第18号では、地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)について、浦和美園~岩槻~蓮田間を2015年までに開業することが適当な路線として答申され、浦和美園以北への延伸構想が明記されました。
現実には、浦和美園~岩槻~蓮田間は2015年までに開業しませんでしたが、2016年の交通政策審議会答申第198号において、引き続き「埼玉高速鉄道線の延伸(浦和美園~岩槻~蓮田)」が明記されるとともに、意義と課題が示されました。
(出典)交通政策審議会(2018)『東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(答申)』p35
これを受け、さいたま市が設置した「地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)延伸協議会」は、課題の解決に向けて取り組むべき事項を整理するとともに、2018年には、浦和美園~岩槻間について、沿線開発や快速運転等を行うことで費用便益比が1を超えることを示しました。
参考:さいたま市ホームページ『さいたま市/地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)延伸協議会 報告書について』
さらに、2021年には、埼玉県とさいたま市が、岩槻までを先行区間として協働して延伸実現に取り組む方針で合意するなど、浦和美園以北への延伸構想が加速化しています。
また、川口市・さいたま市・蓮田市・白岡市・久喜市・加須市・羽生市で構成される「地下鉄7号線建設誘致期成同盟会」が、蓮田さらに羽生方面への延伸実現に向けて要望活動等を行っています。
2.埼玉高速鉄道線が菖蒲を通る世界
※フィクションです
浦和美園~岩槻間については、さいたま市が調査を行うなど延伸実現に向けた動きが加速化していますが、岩槻以北については、岩槻~蓮田間が2016年の交通政策審議会答申第198号において言及されているほかは、基本的に要望活動に留まっている状態で、延伸実現の見込みは立っていません。
ルートの選定も未確定ですが、夢は大きく、菖蒲からさらに羽生まで延伸するパターンを妄想してみたいと思います。
(出典)OpenStreetMapに図・字を追記
~概要~
赤羽岩淵~岩槻(予定)間と同様に、全線を通じて高架またはトンネルとし、踏切は設置しない。蓮田~羽生間では、可能な限り国道122号の中央分離帯上に高架橋を建設し、建設費を抑える。1つの市に最低1つの駅を設置。
6両または8両編成の列車が、日中は毎時4本、ラッシュ時は毎時6本で運行。速達タイプも岩槻~羽生間では各駅に停車。単線と複線のどちらとするか、岩槻以南を含め退避設備を設置するかについては要検討。
中央分離帯上に高架橋を建設するシミュレーション
~駅一覧~
岩槻(いわつき)@さいたま市岩槻区 地下駅
東武アーバンパークラインとの乗換え駅。岩槻以北の旅客が春日部方面へ乗り換えることも想定。
みらい野(みらいの)@さいたま市見沼区 高架駅
付近にある「アーバンみらい東大宮」と所在地である「春野」から命名。都心等へ通勤する周辺住民の利用を想定。
蓮田(はすだ)@蓮田市 地下駅
JR宇都宮線との乗換え駅。周辺住民が都心及び岩槻・春日部・越谷への移動に利用する他、埼玉高速鉄道線の蓮田以北の旅客が大宮方面へ乗り換えることを想定。
閏戸(うるいど)@蓮田市 高架駅
所在地から命名。周辺住民が都心及び大宮方面への移動に利用することを想定。宇都宮線運転見合わせ時には、白岡市中心部へのアクセスの役割も果たす。
しらおか大崎(しらおかおおさき)@白岡市 高架駅
所在地は白岡市下大崎だが、JR山手線に大崎駅が存在するため、頭にしらおかを冠する。周辺人口は少ないが、埼玉高速鉄道線の白岡市唯一の駅として設置。
菖蒲(しょうぶ)@久喜市菖蒲町 高架駅
旧菖蒲町の中心駅。周辺住民が都心及び大宮方面への移動に利用する他、駅周辺にあるショッピングモール及び工業団地関係者の利用も想定。
騎西(きさい)@加須市 高架駅
旧騎西町の中心駅。周辺住民に加え、旧加須市民の一部が都心及び大宮方面への移動に利用することを想定。
志多見(しだみ)@加須市 高架駅
所在地から命名。周辺人口は少ないが、国道125号との交点付近に設置。
羽生(はにゅう)@羽生市 地下駅
東武伊勢崎線及び秩父鉄道線との乗換え駅。羽生市・群馬県東部・栃木県南西部と大宮・東京とを短絡的に繋ぐ役割を果たす。
~菖蒲駅の概要~
国道122号上に建設された菖蒲駅(イメージ)
キロ程 :38.8km(赤羽岩淵起点)
駅構造 :高架駅
ホーム :2面2線
乗車人員:約4,000人/日
国道122号矢島交差点付近上に設置。菖蒲北交差点付近では、ロータリーの用地を確保することが難しいのと、道路渋滞の悪化が予想されるため、矢島交差点付近が選定された。
国道122号を挟んで両側にロータリーを有し、送迎車やバスの駐停車が可能。菖蒲地区及び久喜地区西部の住民が大宮・東京方面への通勤・通学に利用する他、工業団地関係者も多く利用する。
ショッピングモールまでは空中歩道が繋がっており、これらの買い物客も多く利用する。ロータリー設置に伴い市道が整備され、駅西側にはマンション・複合施設が立地。菖蒲地区はさらなる活気に満ちている。